人に生まるるは難く、いま生命あるは有難く、世に仏あるは難く、仏の教えを聞くは有難し。-法句経-

人生はなかなか思い通りにはならないものです。
何かあるたびに私たちは憂い、悲しみ、苦しみ、悩みます。
特に現在はいつ収束するかわからないコロナの影響により、暗澹たる思いで過ごされている方もいらっしゃるかと思います。
日々過ごしていると、嬉しい事、楽しい事もある反面、悲しい事や辛い事が沢山あります。
そして残念ながら良かった事より、辛かった事のほうが記憶に残ってしまう事が多々あるかと思います。
そうして負ってしまう心の傷というものが避けられないとしたら、いったいどうすればいいのでしょうか。
どうしても避けられない事は、「無常の現実」として受けとるしかありません。しかし、無常なる現実をただ嘆くのではなく、これが人生のあり方なのだと受け止め、それを乗り越えていく強さを持つ事が大切だと、ブッダは教えてくれています。
「安心」という言葉は皆様ご存知かと思います。これは読んで字のごとく、「心の安らぎ」という事ですが、仏教では、「あんしん」ではなく、「あんじん」と読みます。
意味も少し違い、心に何の迷いもない不動の境地を「安心=あんじん」といいます。
人生を前向きに生きていく知恵と力を備えつつ、様々な喜怒哀楽の出来事を喜びをもって受け止める生き方を、仏教では「安心の人生」と言っています。
ですがそのように生きるのは、大変難しい事だと思います。悲しさや苦しさを受け入れるには、自らの努力だけではなく、「良い縁」に恵まれる事も必要だからです。
難しいですが、もしそのように生きる事が出来れば、それは「有難い」というほかないと思います。その「有難さ」に気づいた人は、様々な事に出会えた事に感謝し、人間として生まれた縁に喜びを感じる事が出来るのだと思います。
このような生き方が可能となるのは、私たちが「人間」として生まれてきたからです。
仏様の教えには、私たちを前向きにしてくれるものが沢山あります。
悩み、辛い時、仏様が説いて下さった教えを知る事も、より良く過ごす為には大切な事かもしれません。

仏様のご利益、ご加護のもと、日々心豊かに過ごせます事を切にお祈り申し上げます。

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