荒々しい言葉を使うな。言われた者は汝に言い返すだろう。怒りを含んだ言葉は苦痛である。仕返しが汝に返ってくるだろう。
―法句経―
当山のご本尊様はご存じの通り、不動明王様ですが、仏教は、約2500年前誕生されたお釈迦様より始まりました。お釈迦様は私達がよりよく生きる事が出来るよう、様々な教えを説いて下さっております。上記は、お釈迦様が説いて下さった教えの一つです。
乱暴な言葉を使っている人というのは日常の生活や仕事等、色んな場面で見受けられます。
怒りを含んだ言葉の中にはトゲが仕込まれていて、乱暴な言葉を浴びせられた時は苦痛です。
特に現在は収束が見えないコロナによる様々な弊害により、日々の色んな場面で言動が荒くなりやすい環境になってしまっているように思います。
乱暴な言葉を浴びせられた者は同じような言葉で、仕返しをするかもしれません。そして言い争いが始まってしまう、という時があるかもしれません。こうなってしまうと、大変です。
口げんかや、言い争いというのは、自分達だけではなく、まわりの人まで嫌な気持ちにさせてしいます。また、乱暴な言葉で相手に苦痛を与えたり、傷つけたりすると、同じような言葉を浴びせられ、自分も傷つくという結果が生まれてしまうかもしれません。
日々過ごしていてどんな場面でも、相手を思いやる、優しい言葉で話すことが大事であるとお釈迦様は教えてくれています。
どんな言葉も行動もはじめに自分自身の意(心)があり、意(心)によって為されます。
仏教では、心を清める事は大事であり、「心を清めるという事は言葉も清める事だ」と教えてくれています。
乱暴な言葉は自分自身の心から発せられます。自身の心を制御し、「怒りという煩悩」を心に出さず過ごす事が、日々を平穏無事に生きる事につながるのだと思います。
大変な時期である今だからこそ、乱暴な言動が表に出てこないよう、自分自身の心を整えて、言動に注意して過ごす事は大切な事なのだと思います。