花まつり

4月は始まりの季節です。入学や就職など新生活を迎える方にとっては、この時期に芽吹く草花のように期待に胸をふくらませていることでしょう。

さて、当山では4月18日のご縁日に合わせて「花まつり」があります。(花まつりは本来4月8日ですが、当山では多くの方が参詣される18日のご縁日に行っております。)

ここ数年はコロナ予防の為に控えておりました甘茶のご接待を今年は行います。湯呑を準備しておりますのでご利用下さい。

※甘茶の量には限りがあります。ご了承下さい。

 「花まつり」とは・・・

花まつりは、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、灌仏会(かんぶつえ)とも呼ばれます。私達に一番なじみ深い呼び方は、「花まつり」かと思いますが、これは、お釈迦さまがお生まれになった日を祝うものです。

各寺院では、春の草花で屋根が飾られた花御堂(はなみどう)が置かれ、その中に誕生仏をお祀りいたします。お参りする際には、誕生仏に甘茶を注ぎかけて手を合わせます。

これは、お釈迦さまのご誕生を天が祝福し、産湯として甘露の雨を降らせたという逸話がもとになっています。

ルンビニー園という花園で、この世にお生まれになられたお釈迦様は、東西南北に七歩ずつ歩かれたと伝えられます。そして右手で天をさし、左手で地を指さされ、「天上天下唯我独尊」と言われたと説かれます。この「七歩」には、六道(迷い苦しむ世界)輪廻から脱する事が表されています。

そして「三界皆苦 吾当安此」と続きます。これは、「吾(釈迦)は、この三界(欲界・色界・無色界)にいながら仏の悟りを開き、苦しみ悩む人々を本当の幸せに導く」と宣言されたことを表します。

お釈迦様は成道された事により、命の実相・根源といいますか、そこに光(智慧)をあてられて明らかにされました。そして、私達が進む方向(彼岸)を指し示して下さいました。それはお釈迦様をはじめ、多くの聖人と呼ばれる方々はもちろんですが、今生きている私達の周りにも悩み・迷った時に、解決するヒントを示して下さる方がいます。仏教では、「善友」といいます。

 大きな命のつながりの中で、私たちは生かされています。花祭りには、芽吹く草花の命を感じながら、お釈迦さまのご生誕をお祝いしましょう。生かされている命を感謝し、その尊さを見つめ直す日にしたいものです。

合 掌

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